■生物体 ( バイオマス ) 燃料と原料

バイオ燃料は,ガソリン代替燃料として注目され,地球温暖化の抑制や原油などの化石燃料の枯渇の面でも注目され,バイオマス燃料は,トウモロコシとその茎,サトウキビ,小麦や廃木材をなどの植物を原料として発酵させて作り,増産には大量の作物が必要なので特に政策などで強化しない限り作物の耕作面積を急増させたりの原料増産は現実的には難しい課題である。
バイオ燃料は,原料となる生物の生産と消費のバランスをとることで実質的に二酸化炭素排出がなくなり,石油,石炭などの化石資源も生物由来だが,生産と消費とのバランスが成立していないため,バイオ燃料に入らない。
バイオ燃料は,現在の穀物の生産量の中から原料として供給することになるので,全体的な生産量の増加がない状況で需要だけが増えれば,穀物の不足や価格上昇に至り,日本では,食料自給率はカロリーベースで40%程度なので,バイオ燃料の原料としての生産に充当する余裕は無いと指摘されている。
2007年の後半から食料品の値上がりが急ピッチで,オレンジジュース,マヨネーズ,大豆製品,砂糖,小麦粉,カップ麺,お菓子,食用油などの日用品の原料の価格高騰によりメーカー側が値上げを発表。家畜飼料はさらに深刻で肉製品徐々にその影響が出始め,バイオ燃料の生産では,日本は輸入穀物の価格の高騰の影響を受けて食用作物以外の原料からの生産技術の開発が望まれている。

■バイオ燃料と地球温暖化

バイオ燃料は,地球温暖化の抑制対策の手段として,大気中の二酸化炭素の増加を抑制するためブラジルとアメリカが世界の70%以上のバイオ燃料を生産している。
バイオマス燃料は,生物体の生育段階で,太陽の光と水と空気中の二酸化炭素を吸収して成長する植物,つまり生物体 ( バイオマス ) を利用してエタノール,バイオ燃料に変換する。
バイオ燃料のエタノールは,歴史上最初にアルコールとして認識された揮発性の高い物質で,エチルアルコールとも呼ばれ,酒類の主成分の酒精ともいい,数多くあるアルコール類の中で最も身近に使われる物質である。
地球温暖化の抑制手段としてのバイオ燃料は,近年日本でも自動車燃料として脚光を浴び,世界中でも大きく注目を集めている。

■バイオ燃料の問題点

バイオ燃料の問題点として,食料品の値上がりがある。

近年,中国が食料輸入国に転じ,オーストラリアの干ばつによる農産物の不作による値上がりがあって,生産の7割をブラジルと米国が占めるバイオ燃料は,自動車のガソリンと混ぜて利用されてきたが,地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の削減の切り札として,また国策として米国が増産していることが原因とされている。
食料品の値上がりは家計を直撃するだけでなく,フードセキュリティーの面からも重要で,特に食料の大半を輸入に頼る日本としては深刻に受け止めなくてはいけない問題である。
バイオ燃料の問題点として,食料品が直接的に石油価格と連動するという事態が発生している。
限りある地下資源の化石燃料の石油は,それを消費する段階で大量の二酸化炭素を一方的に発生し,地球温暖化の原因とされているが,植物は,大気中の二酸化炭素を吸収して成長するため,燃やしても大気中の二酸化炭素の総量は増えない循環型のリサイクルの燃料。
京都議定書では,バイオ燃料の利用は二酸化炭素の排出量に数えないルールになっている。


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